女性に多い悩み
2018年08月01日更新 2018年08月01日公開

妊娠中に摂るべき栄養素と食べ物

妊娠中は赤ちゃんの発育のためにどのような食事をとればよいか気になる方が多いですよね。この記事では、妊娠中の食生活のポイントを「意識して摂りたい栄養素」「栄養バランスよく食べる方法」「注意点」の3つに分けて紹介します。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 白須結衣

妊娠中の食事の栄養バランスを考える女性

妊娠中の食事は、ママの健康に関係することはもちろん、おなかの中の大切な赤ちゃんの発育にも影響を与えます。ここでは、妊娠中にどのような食事や栄養素を摂ればいいのか、わかりやすく解説します。

妊娠中に摂るべき栄養素とその働き

妊娠中は1日3度の食事からバランスよく食べることが基本ですが、特に意識して摂りたい栄養素をおさえましょう。

葉酸

主な働き:胎児の正常な発育に必要な栄養素のため、妊娠前後にたくさん必要になります。また、新しい赤血球を作るのに必要です。

多く含まれる食べ物:ほうれんそう、モロヘイヤ、アスパラガス、ブロッコリー、枝豆、オクラ、レバーなど

鉄分

主な働き:赤血球の材料となります。妊娠中は赤ちゃんのためにも血液を作らなければならないため、通常よりも多くの赤血球が必要になります。

多く含まれる食べ物:あさりやしじみなどの貝類、レバー、豆類、ナッツ類、海藻類など

カルシウム

主な働き:妊娠中にだけたくさん必要な栄養素というわけではなく、日本人女性全体に不足しがちな栄養素です。

多く含まれる食べ物:乳・乳製品、魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻など

マグネシウム

主な働き:カルシウムとともに働き、骨格を形成したり、筋肉や神経の働きを調整したりします。

多く含まれる食べ物:玄米、ライ麦パン、あさりなど魚介類、海藻類、種実類、大豆など

ヨウ素

主な働き:甲状腺ホルモンの構成成分となります。甲状腺ホルモンは妊娠期・授乳期に、赤ちゃんの骨や脳がしっかり育つために必要です。

多く含まれる食べ物:昆布やひじきなどの海藻類、魚介類、大豆、バターなど

タンパク質

主な働き:筋肉や臓器など、身体を構成する主成分になるため、赤ちゃんの身体を作るのにも必要な栄養素です。

多く含まれる食べ物:牛・豚・鶏など肉類、大豆製品、魚介類、ヨーグルトやチーズなど

上記の栄養素を豊富に含む食べ物を使ったおすすめレシピは、『妊娠中におすすめ!栄養たっぷり簡単レシピ5選』でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

「栄養バランスよく食べる」には?

一口に「栄養バランスよく」といわれても、具体的にどうすればよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。基本的には1日3回の食事から「多種類の食品をまんべんなく、適量食べる」ことが大切です。

その実践方法としては、厚生労働省が発表している「妊産婦のためのバランスガイド」を参考にするのがおすすめです。

毎日の食事における5グループの役割

毎日の食事内容は、以下の5つのグループに分類することができます。上にあるグループのものほど、しっかりと食べる必要があります。役割と主な食べ物の例も一緒に覚えておきましょう[1]。

  • 主食…身体を動かすエネルギーとなるもの(ごはん、麺類、パンなど)
  • 副菜…不足しがちなビタミン・ミネラルを補うもの(野菜サラダ、ひじきの小鉢、具だくさんみそ汁など)
  • 主菜…身体をつくる材料となるもの(肉、魚、卵、大豆製品など)
  • 牛乳・乳製品…骨を作るもととなるカルシウムの供給源となるもの(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
  • 果物…身体の調子を整えるビタミンC、カリウムの供給源となるもの(りんご、みかん、スイカ、イチゴなど)

妊娠期ごとの1日の食事例

上記で紹介した5グループのうち、妊娠中期と後期はそれぞれ多めにとるべきグループがあります。

  • 妊娠中期…副菜、主菜、果物を多めに摂る
  • 妊娠後期…主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5グループ全て多めに摂る

これをふまえて妊娠初期から後期までの食事例を作成してみました。中期・後期になると、料理の品目や量が増えているのがおわかりいただけるでしょうか。

妊娠初期の食事例
朝食…食パン1枚、野菜サラダ、目玉焼き1皿、牛乳コップ半分、りんご半分
昼食…うどん1杯、ほうれんそうのおひたし
間食…ヨーグルト1パック、桃1個
夕食…ごはん中盛り1杯、具だくさんみそ汁、野菜の煮物、豚のショウガ焼き
妊娠中期の食事例
朝食…食パン1枚、野菜炒め、目玉焼き1皿、牛乳コップ半分、りんご1個
昼食…うどん1杯、芋の煮っころがし、冷奴
間食…ヨーグルト1パック、桃1個
夕食…ごはん中盛り1杯、具だくさんみそ汁、野菜の煮物、豚のショウガ焼き
妊娠後期の食事例
朝食…スライスチーズ1枚のせ食パン1枚、野菜炒め、目玉焼き1皿、牛乳コップ半分、りんご1個
昼食…うどん1杯、芋の煮っころがし、冷奴
間食…おにぎり1個、ヨーグルト1パック、桃1個
夕食…ごはん中盛り1杯、具だくさんみそ汁、野菜の煮物、豚のショウガ焼き

妊娠中の食事で気をつけること

食の多様化が進んでいる中、妊娠中に外食やコンビニを利用する際や、その他食事で気をつけたいポイントについてご紹介します。

塩分や糖分、カロリーの摂りすぎに注意

塩分の摂りすぎは妊娠高血圧症や腎機能低下を、糖分の摂りすぎは妊娠糖尿病を招きますので、日ごろから控えめを心がけるようにしましょう。特に外食や市販の惣菜、加工食品をよく利用している人は、知らず知らずのうちに塩分や糖分、カロリーを摂りすぎている可能性がありますので注意しましょう。

便秘を防ぐ食べ物をとる

妊娠中は便秘になりやすいため、食物繊維を多く含む食品や、乳酸菌を含む発酵食品・ヨーグルトを積極的に食べるとともに、水分をこまめに摂取するよう心がけましょう。

なお、妊娠中の便秘改善については、『妊婦の便秘にヨーグルトは効果的?改善のポイント』もあわせてご覧ください。

食品添加物は大丈夫?

市販されている加工食品や調味料、惣菜や外食メニューのなかには、食品添加物が使われているものもあります。妊娠中は食品添加物の有無が気になるものですが、その一方で食品添加物には食べ物を菌やカビから守って長持ちさせたり、色や香りをつけるなどの働きをしています。

国の食品安全委員会では、食べ物に食品添加物を多く使いすぎないよう、一生食べ続けても安全な量を科学的に調べたり、食品会社がどう利用するかルールづくりをしています。むやみに心配するのではなく自炊と併用しながら、毎日の食生活にうまくとり入れていくのがよいでしょう[2][3]。

足りない栄養素をサプリメントで補ってもよい?

サプリメントは医薬品とは異なり、メーカーによって品質や規格がまちまちです。また、おなかの赤ちゃんにどのような影響があるのか、データも不十分です[2]。

妊娠後期に多めに摂るよう推奨されているビタミンAのような栄養素もありますが、特定の成分が濃縮されたサプリメントを常用すると、過剰摂取になるおそれがあります。ビタミンAは偏食をしなければ普段の食事から十分な量を摂取することができますので、安易にサプリメントに頼らないようにしましょう。

一方、葉酸は赤ちゃんの神経管の発育に欠かせない栄養素であり、妊娠1か月以上前から妊娠3か月まで十分に摂取することが推奨されています。まずは普段の食事や葉酸強化型食品から摂取するよう心がけ、そのうえで不足が心配な場合のみ、医師や管理栄養士に相談のうえサプリメントを活用するとよいでしょう[2]。

アルコール・カフェインの摂取について

言うまでもないことですが、妊娠中の飲酒・喫煙は赤ちゃんの発育に影響を及ぼす可能性があります。外食をするときも、受動喫煙をなるべく避けられる環境を選ぶようにしましょう。また、カフェインは直ちにおなかの赤ちゃんに悪影響を与えるわけではないですが、大量摂取には注意が必要です。

まとめ

妊娠中は、おなかの赤ちゃんやママの健康に欠かせない栄養素をバランスよく摂ることが大切です。しかし、あまりに気にしすぎると、ストレスになることもあります。ときには仲のよい友達と会話を楽しみながら外食を活用したり、カロリーを摂りすぎない程度におやつを味わうなどしてリラックスしながら、無理のないマタニティーライフを過ごしましょう。

参考文献

  1. [1]農林水産省. "食事バランスガイド早分かり" 農林水産省ホームページ. http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html(参照2018-07-04)
  2. [2]国立健康・栄養研究所 情報センター. "妊娠中の食事とサプリメントについて" 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所. https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/pregnant.pdf(参照2018-07-04)
  3. [3]食品安全委員会キッズボックス. "食品添加物って、なんだろう?" 内閣府 食品安全委員会. http://www.fsc.go.jp/sonota/kids-box/kids26.pdf(参照2018-07-04)

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