女性に多い悩み
2018年08月31日更新 2018年08月31日公開

PMS(月経前症候群)をやわらげる食べ物とは

生理前になるとイライラや不安感などの不快な症状に悩まされることはありませんか?それはPMS(月経前症候群)かもしれません。PMSの症状を改善するには、まず生活習慣や食事を見直してみましょう。ここではPMSをやわらげるのに役立つ食べ物を紹介します。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 西川綾香

「PMS(月経前症候群)」って何?

PMSは、生理前の3~10日間に渡り続く、精神的・身体的な不快症状に悩まされることをいいます。生理開始とともに症状が軽減・消失することが特徴です。日本では生理のある女性の7~8割が生理前になんらかの症状を感じるといわれています。

PMSの症状にはさまざまなものがあります。主なものを以下に示します[1]。

〈精神的症状〉

  • 気分が落ちこむ
  • 怒りっぽくなる・かんしゃくを起こす
  • ちょっとしたことで不機嫌になったり、イライラしたりする
  • 不安を感じる
  • 混乱する
  • 引きこもりがちになる

〈身体的症状〉

  • 乳房にハリを感じる
  • 腹部にハリや重さを感じる
  • 頭痛がする
  • 関節や筋肉に痛みを感じる
  • 体重が増加する
  • 手足がむくむ

PMSの原因はさまざまな要因が複雑に関与しており、まだわかっていない部分も多いのが現状です。最も大きな要因として、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の急激な変動により、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常が引き起こされることが考えられています。また、プロゲステロンが低下すると幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌も低下するため、これがPMSの精神的症状に結びつく可能性があると考えられています[2][3]。

PMS(月経前症候群)をやわらげる食べ物とは

上記の通り、PMSの原因がはっきりしないものの、現在までに症状の改善に有効とされている栄養素や、効果が確認されているものがいくつかあります。日本産婦人科学会のガイドラインで紹介されているものを中心にご紹介します[1]。

カルシウム・マグネシウムを含む食べ物

カルシウムはヨーグルト・チーズ・がんもとき・煮干し・切り干し大根などに豊富に含まれており、マグネシウムはカボチャの種・海苔・木綿豆腐・納豆・干しエビなどに豊富に含まれています。

ビタミンB6を含む食べ物

ビタミンB6はドーパミンとセロトニン生成の補酵素であるため、ビタミンB6を摂取することでドーパミンとセロトニンの生成を促し、PMSの症状の緩和が期待できるという報告があります[4]。

ビタミンB6を豊富に含む食べ物は、レバー・まぐろ・かつお・玄米・ニンニクなどです。ビタミンB6の摂取推奨量は女性の場合1日当たり1.2~1.5mgとされていますので、牛レバーの場合は130g程度・まぐろの場合は150g程度が目安です。

ビタミンEを含む食べ物

ビタミンEの摂取もPMSの改善が期待できるとして推奨されています[3]。ビタミンEが豊富な食べ物はアーモンド・落花生・カボチャ・アボカドなどです。

その他の成分を含む食べ物

上記の他にも、炭水化物やγ‐リノレン酸含有食品の摂取が推奨されています。炭水化物はごはん・パン・芋類などから摂取できます。γ‐リノレン酸はカシス種子や月見草種子など限られた食品にしか含まれませんが、リノール酸(大豆油・コーン油など)を摂ることで体内にて合成することができます。

また、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た作用をもつ大豆イソフラボンは、女子大生を対象とした調査でPMSによる頭痛を改善しました[5]。大豆イソフラボンは大豆製品全般から摂取が可能です(ただし、大豆イソフラボンは、日本産婦人科学会が推奨している成分ではありません)。

取りすぎに注意したい食べ物・飲み物

これまでおすすめの食べ物を紹介してきましたが、一方で控えたい食べ物や飲み物もあります。

カフェインは交感神経を優位にさせるため、PMS時のイライラや興奮が強くなる可能性があり注意が必要です。また、塩分の摂りすぎは水分を引き寄せてむくみにつながりますし、アルコールもむくみを助長させてしまいます。

まとめ

PMSの原因はさまざまな要因が複雑に関与しているため、まだわかっていない部分も多く、症状も人により差があります。上記で紹介した食生活で気をつけるとともに、下記のような生活習慣も推奨されていますのでとり入れてみてはいかがでしょうか[1][2][4]。

  • 症状日記をつけ、自分のリズムを理解する
  • 規則正しい生活や睡眠を心がける
  • 適度な運動を行う(有酸素運動)
  • アロマテラピーなど、好きな香りでリラックスする

もし、これらの対処でもPMSがよくならないようなら、婦人科やレディースクリニックを受診しましょう。

参考文献

  1. [1]公益社団法人 日本産科婦人科学会編.産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2017第2版. 公益社団法人 日本産科婦人科学会 2017;253-254.
  2. http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2017.pdf (参照2018-7-22)
  3. [2]公益社団法人 日本産科婦人科学会.“月経前症候群” 公益社団法人 日本産科婦人科学会.
  4. http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/gekkei.html (参照2018-7-22)
  5. [3]長塚正晃.E.婦人科疾患の診断・治療・管理,日本婦誌 2009;61(12):N657-N663.
  6. http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6112-657.pdf (参照2018-7-22)
  7. [4]白土なほ子.PMS、PMDDの診断と治療 昭和学士会誌,2017;77(4):360-366.
  8. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/77/4/77_360/_pdf/-char/ja (参照2018-7-22)
  9. [5]石渡尚子、上杉宰世、上原万里子.月経前症候群に及ぼす大豆イソフラボンの影響,大豆たん白研究 2003;Vol.6:135-139.
  10. https://www.fujifoundation.or.jp/report/pdf/024/24_135.pdf (参照2018-7-22)

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