生活習慣病
2018年08月31日更新 2018年08月31日公開

脂肪肝を改善する食事のポイント

肝臓に中性脂肪がたまった状態を脂肪肝といいます。脂肪肝は放置したままでいると、やがて肝炎、肝硬変に進行することもあります。主な原因は食べ過ぎや飲み過ぎです。ここでは脂肪肝を予防する食事のポイントをご紹介します。

脂肪肝とは、肝臓の細胞に中性脂肪がたまり、フォアグラのようになった状態のことです。初期にはほとんど症状が見られませんが、メタボリックシンドロームを合併しやすく、脂肪肝の状態が長く続くと、肝炎、肝硬変に進行することもあります。

「私はお酒を飲まないから大丈夫」という方もいることでしょう。しかし、脂肪肝はアルコールを飲まない人にも起こるので注意が必要です。ここでは脂肪肝をくいとめ、改善する食事のポイントについてわかりやすく解説します。

脂肪肝はどうして起こる?

まずは、脂肪肝ができる原因について見ていきましょう。

毎日の食事から摂取するエネルギーが運動などで消費するエネルギーを上回ると、余ったエネルギーは中性脂肪やグリコーゲンとして、体内に蓄えられます。なかでも、中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪組織、さらに肝臓にも貯蓄されます。そして肝細胞の30%以上に中性脂肪がたまると、脂肪肝と診断されます。

主な原因は食べ過ぎと飲み過ぎですが、糖尿病や栄養障害による代謝の異常、ステロイド剤の服用などによっても脂肪肝が進むことがあります。特にアルコールではなく食べ過ぎから脂肪肝になり、やがて肝炎や肝硬変を発生する場合はNASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれ、近年注目されています。

脂肪肝を改善する食事のポイント

脂肪肝を改善するには、食べ過ぎ・飲み過ぎをあらためるのはもちろんですが、肝臓では脂肪からだけでなく、糖質の分解物であるブドウ糖や、アルコールからも脂肪を合成しているため、これまでの食事全体を見直す必要があります。順を追ってご紹介します。

食事から摂取するエネルギー量を制限する

肥満や糖尿病を患っていると、肝臓にも脂肪がたまりやすくなります。エネルギー量の摂りすぎを解消するためにも、1日に摂取すべきエネルギー量を割り出してみましょう。まずは、目標とすべき標準体重を算出します。

<標準体重の算出方法>

身長(m)× 身長(m)× 22 = 標準体重(kg)

上記の計算式は身長に見合った体重を割り出すBMI(Body Mass Index)といわれる指標を採用しており、男女ともBMIが22のとき、もっとも病気が少ないとされています[1]

こうして算出した標準体重に、以下のいずれかの「活動別・標準体重1kgあたりの1日に必要なエネルギー」を掛けたものが、1日に必要なエネルギー量(kcal)となります[2]。

<活動別・標準体重1kgあたりの1日に必要なエネルギー>

  • 軽労働(デスクワークの多い事務員・技術者・管理職など)・・・25-30kcal
  • 中労働(外歩きの多い営業マン・店員・工員など)・・・30-35kcal
  • 重労働(農業/漁業従事者・建設作業員)・・・35kcal

<1日に摂取すべきエネルギー(kcal)の算出方法>

標準体重(kg) × 標準体重1kgあたりに必要なエネルギー = 1日に摂取すべきエネルギー(kcal)

たとえば、身長162cmでデスクワークの多い人の場合、標準体重が1.62×1.62×22=57.7kgとなり、1日あたり1kgあたり28kcalで算出した場合、57.7×28=1615kcalとなります。1日に食事から摂取するエネルギーの総量は、この数字を超えないようつとめましょう。

良質なタンパク質を摂る

タンパク質は、摂りすぎても、極端に制限してもよくありません。できるだけ良質なものを、適量摂るようにしましょう。たとえば1日の食事では、白身の魚80g(魚1切れ程度)、鶏肉60g、卵1個、豆腐1/3丁、ヨーグルトなどの乳製品200gというように、できるだけ幅広い食材から、動物性・植物性のタンパク質をバランスよく摂るとよいでしょう。

食物繊維を含む食品をたっぷりとる

野菜や海草類、キノコ類は食物繊維を多く含み、満腹感が得やすいため、食べ過ぎを防ぐことができます。また、食物繊維には脂肪の吸収を抑えたり、余分な塩分を排出する働きもあります。さらに、不足しがちなビタミン・ミネラルをたっぷり補うこともできます。

厚生労働省では、健康な生活を維持するために「野菜類を1日350g以上食べましょう」という目標値を掲げています[3]。そのために必要な量は、1回の食事につきサラダや野菜をメインとした小鉢を1皿以上、1日あたり5~6皿分が必要です。下記のような工夫を取り入れて、毎日の食事で食物繊維の摂取量を増やすようにしましょう。

  • 葉物野菜はゆでたり煮たりして、カサを小さくする
  • 一品料理や丼ものには、毎食副菜を付ける
  • 主菜の付け合わせを増やす
  • 具だくさんのみそ汁など、汁物やスープも活用する
  • 野菜をたくさん入れた鍋料理にする

甘いものや脂っこいものは控える

すでにご紹介したとおり、脂質だけでなく糖質やアルコールも分解された後、脂肪となり、肝臓で蓄積されます。そのため脂っこい食べ物はもちろん、砂糖をたっぷりと使ったジュース類や缶コーヒー、ケーキやアイスクリームなどの甘いお菓子などは食べるのを控えましょう。スナック菓子も油で揚げたものが多いので、避けたほうがよいでしょう。

果物は食物繊維やビタミン・ミネラルを補給することができますが、果糖もたくさん含まれているため、食べ過ぎは禁物です。

飲酒も見直しを

アルコールも肝臓で脂肪に合成されやすいため、特にアルコール性の脂肪肝の場合は禁酒することが望ましいでしょう。非アルコール性の場合でも、日ごろから節度ある飲酒を心がけましょう。

厚生労働省が提唱する「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」とは、純アルコールに換算して1日あたり男性では20gまで、女性はそれより少ない量が適当とされています。純アルコール量20gとはビール中瓶500ml、清酒1合180ml、ウイスキーやブランデーはダブルで60mlに相当します[4]。そのほか、お酒を飲むときは以下のようなことに気をつけましょう。

  • 飲み過ぎを防ぐために、お酒の種類は1~2つに絞る
  • 肝臓の負担を減らすために、ゆっくり少しずつ飲む
  • 空腹時の飲酒をできるだけ避ける
  • 魚介や肉類、乳製品のつまみと一緒に飲み、その分の食事量は減らす
  • 週に2~3日は休肝日を設ける

有酸素運動もおすすめ

肝臓に蓄積された中性脂肪を減らすには、食事療法に運動療法を組み合わせるとより効果的です。なかでも酸素を十分にとり込みながら全身の筋肉を使い、脂肪を燃やす有酸素運動がおすすめです。

有酸素運動にはウォーキングやランニング、水泳などがあります。運動中にじんわりと汗をかいたり、運動をしながら会話ができる程度の強さの運動を続けましょう。日々の生活の中では、歩いて買い物に行く、バスに乗るときは停留所1区間分歩く、駅ではエレベーターを使わず階段を使うなどの行動をとり入れ、毎日続けることが大切です。

まとめ

脂肪肝は、アルコール性であれ、非アルコール性であれ、生活習慣と密接に関連しています。脂肪肝の改善はメタボリックシンドロームの予防にもつながり、健康の一つの鏡にもなりますから、早めに対策を練りましょう。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. "BMI" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html(参照2018-07-10)
  2. [2]三好 美紀. "肥満と健康" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html(参照2018-07-10)
  3. [3]荒井 裕介. "野菜、食べてますか?" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html(参照2018-07-10)
  4. [4]厚生労働省. "アルコール" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html#A53(参照2018-07-10)

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