生活習慣病
2018年06月28日更新 2018年06月29日公開

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防する食事のポイントと運動の必要性

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは骨がもろくなり、骨折しやすくなっている状態です。骨粗鬆症は女性の方が多い傾向ですが、普段の食生活や生活習慣が重要になります。ここでは、予防のための方法、主に食事のとり方を説明します。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 佐々木洋子

骨

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になると、骨の内部がスカスカに脆くなり、骨折の危険性が極めて高い状態となります。骨粗鬆症によって背骨や太ももの骨が折れてしまうと自由に動くことも難しくなり、「寝たきり」のきっかけとなることもあります。

骨折するまで自覚症状がないため、骨粗鬆症であることは気づかずに過ごしている場合がほとんどです。骨粗鬆症を予防するための食生活のポイントをご紹介します。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは?

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して脆くなり、骨折しやすくなっている状態です。加齢や生活習慣、遺伝などさまざまな要因が関与して発症する病気ですが、食事や生活習慣を見直すことにより予防できることがわかってきています。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)はなぜ起こる?どんな人がなりやすいの?

骨は一見、硬い物質のようですが、実は体内の他の組織と同様、細胞が集まってできています。骨のなかでは古い骨が溶かされる(骨吸収)ことや、新しい骨が作られる(骨形成)ことが繰り返されています。骨吸収が骨形成より盛んになると骨量が減少してしまい、結果として骨がスカスカになり脆くなってしまいます。

骨粗鬆症が起こる理由

骨の強度は骨の量(骨密度)と骨質によって決まります。骨粗鬆症が起こる原因として、骨を形成するカルシウムやマグネシウム、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどの栄養素を十分に摂れていないことが考えられます。また適度な運動で骨に体重負荷をかけないと、骨形成におけるカルシウムの利用効率が低下。そのため運動不足も骨粗鬆症を引き起こす要因として知られています。

女性の場合は、新しい骨をつくる働きをもつ骨芽細胞を活性化するエストロゲンが閉経によって激減することも、骨粗鬆症の発症リスクを高める要因となります。

また、骨密度は20歳前後で最大値に達し、40歳代前半まではその値を維持できるといわれています。そのため、20歳までにしっかりと骨密度を高めておくことが大切です[1]。

骨粗鬆症はどういう人がなりやすい?

骨粗鬆症が起こる理由から考えると骨の量が少ない人、つまりカルシウムやマグネシウムが不足している人や運動が不足している人、もともとの骨量が少ない人が骨粗鬆症になりやすいといえるでしょう。

骨粗鬆症は男性よりも女性に多く、主に、閉経後の女性ホルモンの減少による影響が大きいといわれています。そのほか、老化、遺伝、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒、家の中に閉じこもり日光に当たらないことによる影響もあります。

加えて、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)、関節リウマチや糖尿病、胃の切除、ステロイド剤の長期服用などがあると、骨粗鬆症が悪化することがあります。

骨粗鬆症は予防が大切

高齢化社会が進むとともに、骨粗鬆症は今後ますます増加すると考えられます。骨がもろくなると、二度、三度と骨折することも少なくありません。骨折によって自由に歩けなくなるなど「生活の質」の低下も懸念されます。また「寝たきり」の引き金になることも多く、家族に介護の負担をかけるおそれもあります。

こうした状況になるのを防ぐためにも、骨粗鬆症は生活習慣の改善などで予防を心がけることが大切です。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防のための食事のポイント

骨粗鬆症の予防のための食事の第一のポイントは、カルシウムを摂ることです。子供時代には最大骨量を増やしておくため、40歳以降は骨量の低下を予防するために重要となります。それに加え、カルシウムの吸収を促す栄養素を含めた、バランスのよい食事が大切です。

カルシウムを習慣的に摂取する

骨では常に新陳代謝が行われており、一度にたくさんのカルシウムを摂って貯蔵しておくことができません。そのため、毎日必要量をきちんと摂ることが大切です。おやつなど間食に牛乳やヨーグルトなどの乳製品をとったり、日々の食事には小魚、大豆製品、海藻類を積極的にとったりしたいものです。

牛乳などの乳製品に含まれている乳糖やタンパク質には、カルシウムの吸収を促進する働きがあり、カルシウムを効率よく補給するのにおすすめです。1日コップ1杯の牛乳か、牛乳が苦手な場合はヨーグルト80g入りを2パックくらい食べるとよいでしょう。ただし、ヨーグルトをとる場合は砂糖などの糖分の摂りすぎに注意しましょう。

1日あたりのカルシウム推奨量は、小学生男子で600~700mg/日、女子550~700mg/日、中学生男子1000mg/日、女子800mg/日となっています。20代以降は女性が650mg/日となります。男性は20代男性800mg/日、30~40代男性650mg/日とやや量が少なくなり、50代以降男性は700mg/日とまた増加します[2]。

どうしても不足してしまう場合はサプリメントを利用することもできますが、サプリメントの過剰摂取による健康被害の懸念もあります。成人以降は男女とも、カルシウムを2300 mg/日以上摂らないように気をつけましょう。

カルシウムの吸収をサポートする栄養素を摂る

カルシウムを摂ることはもちろん、カルシウムが効率よく吸収されるようにビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、タンパク質もあわせて摂ることが必要になります。これらが多く含まれている食品には、以下のようなものがあります。

  • ビタミンD…きくらげ、サケ、うなぎ、さんま、めかじき、カレイ、きのこ類など
  • ビタミンK…卵、納豆、ほうれん草、小松菜、にら、ブロッコリー、キャベツなど
  • マグネシウム…桜えび、あさり、ひじき、カットわかめ、アーモンドなど
  • タンパク質…肉、魚介類、大豆製品、チーズ、牛乳など

特に高齢者ではタンパク質の不足がみられる場合が多く、骨量減少を助長している可能性があるともいわれているので、意識して摂取しましょう。

また、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害します。リンは食品添加物として利用されていることが多く、加工食品や清涼飲料水ばかりの食生活では、リンの摂りすぎとなる場合があるので注意が必要です。

カルシウムをコツコツ摂るためには、1日3食バランスのよい食事を心がけることが基本です。間食に乳製品を利用したり、リンの摂りすぎを防ぐために、加工食品をなるべく控えたりすることも大切になってきます。

運動習慣もとり入れよう

骨に適度な負荷をかけることは、骨の形成に重要です。また、日光に当たることにより、ビタミンDを体内で合成することができます。そのため、天気のよい日にウォーキングをすることも骨粗鬆症の予防としておすすめです。

一方で、塩分の摂りすぎ、アルコールやコーヒーの飲みすぎ、喫煙、過度のダイエットは骨粗鬆症の危険因子になるといわれていますので気をつけましょう。

まとめ

骨粗鬆症とは骨が脆くなり、骨折しやすくなっている状態です。骨折してしまうと、寝たきりにつながるなど、自分も家族も負担が増えてしまうことになります。そのため、骨粗鬆症は予防していくことが何よりも大切であり、食事や運動がそのポイントになります。

骨粗鬆症を防ぐには、若い頃から可能な限り最大骨量を引き上げておくことが大切です。また、女性は閉経が近づくとホルモンバランスの影響で骨密度が低下してしまいます。定期的に健診を受け、骨密度の低下をゆるやかにする食生活、運動を心がけていきましょう。

参考文献

  1. [1]折茂 肇ほか. "骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版" 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会. http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf(参照2018-06-01)
  2. [2]藤井 紘子. "骨粗鬆症の予防のための食生活" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html(参照2018-06-01)

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