生活習慣病
2018年08月01日更新 2018年08月01日公開

糖尿病を予防する食事と献立を考える際の注意点

「糖尿病を予防する食事」と聞くと、何か特別なことをしなければいけないのではと考える人もいることでしょう。ここでは、糖尿病を未然に防ぐために毎日の食事や献立ではどのようなことに注意すべきか、わかりやすくお伝えします。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 白須結衣

糖尿病予防のために栄養バランスを計算する

毎日の食生活と糖尿病は、切っても切り離すことができません。ここでは、糖尿病を予防するための食生活で気をつけるべきことや、具体的にどのようにして献立を作っていけばよいのかについて解説していきます。

あなたは大丈夫? 糖尿病予備軍のチェックポイント

血液中の糖が高い状態が慢性的に続くことで、血管や神経に障害をもたらすおそれがある糖尿病。その予備軍とは、ふつうの人よりも少し血糖値が高いものの、まだ本当の糖尿病の域には達していない、いわば糖尿病になりかけの状態です。

糖尿病などの生活習慣病になりやすいかどうかのリスクを日本生活習慣病予防協会がチェックリストとして出していますので、チェックしてみましょう[1]。

<生活>

□現在、40歳以上である

□20歳の頃より、10kg以上体重が増えている

□おなかまわりがぽっこり出てきた

□大食いが習慣になっている

□タバコを吸っている

□お酒をよく飲む

□身体を動かすのが嫌い

□夜ふかしが多く、常に睡眠不足である

□忙しくて休養が取れない

□ストレスがたまっている

<食事>

□炭水化物(ご飯やパンなど)の摂取量が多い

□脂っこい食べ物が好き

□おやつを食べるのが習慣になっている

□夜遅くまで食べたり飲んだりしている

□朝食は食べたり、食べなかったりする

□早食いやドカ食い、ながら食いが多い

□濃い味つけが好きである

□外食やファストフード、レトルト食品をよく利用する

□甘い清涼飲料水をよく飲む

□野菜や海藻類をあまり食べない

<運動>

□運動不足を実感している

□1日の歩数は7000歩未満であることが多い

□移動には車をよく使う

□つい階段での移動を避けてしまう

□継続してスポーツをする機会や運動習慣がない

いかがでしたでしょうか?それぞれのカテゴリーについて、以下の基準に当てはまる人は注意が必要です。

<生活>で5個以上当てはまった人

40歳を超えると、生活習慣病のリスクが高まります。さらに、喫煙や飲酒習慣、ストレスなども生活習慣病の発生に影響を及ぼします。また、おなかまわりが男性85cm以上、女性90cm以上の人は、食事の見直しや運動習慣をとり入れることをおすすめします。

<食事>で5個以上当てはまった人

外食やファストフードの利用が多く、食事の時間が不規則な人は、血糖値や中性脂肪が上昇しやすくなっています。また、塩分や糖分を摂りすぎていたり、食物繊維の摂取が少ないと動脈硬化のリスクを高めます。毎日の食事では栄養バランスを考慮し、1日3回決まった時間に腹八分目を心がけて食べることが大切です。

<運動>で3個以上当てはまった人

普段から必要以上の距離を歩いていないという方は、週3回以上、30分以上を目安に歩くことを意識してみましょう。身体を動かすことは心身の機能を活性化させ、リフレッシュにもつながります。それぞれの体力や体調に合わせて無理のない範囲で行いましょう。

また、3つのカテゴリーのうち、2つ以上に当てはまったらすでに生活習慣病予備軍になっている可能性があります。糖尿病は特に食生活の乱れによって起こりやすくなるため、日々の食生活を見直すことが必要です。また、上記のチェックリストで<食事>に心当たりがなくても、糖尿病の予防において摂取エネルギーのコントロールは重要な要素となるため、食生活に注意することは大切です。

糖尿病予防に食生活の改善が効果的な理由

糖尿病の治療において、食事療法は運動とともに車の車輪にたとえられるほど重要視されています。すこやかな身体を作り・維持するために必要な栄養素を、バランスよく適切な摂取量で食べることにより、肥満や糖尿病のリスク、合併症のリスクを減らすことができます[2]。

また、糖尿病予防の食習慣とは特別な食事をすることではありません。日常の生活に合わせた自身の必要量を知り、適正に食べ、余分に食べないことが大切です[2]。

献立を考える際の注意点と食生活のコツ

糖尿病予防の食習慣を踏まえつつ、食事の献立を考える際の注意点とどのような食事をとればいいのかについてご説明します。

1日に必要な摂取エネルギーを踏まえたメニューとする

まずは標準体重に近づくために、1日に摂取すべきエネルギー量を算出しましょう。

標準体重(kg) = 身長(m) × 身長(m)× 22

次に、上で求めた標準体重1kgあたり、どれくらいの摂取エネルギーが必要か算出します。以下の3つのなかから、普段の仕事や運動量に応じて選びます[3]。

  • 軽労働(デスクワークが多い事務員・管理職など):25~30(kcal/kg標準体重)
  • 中労働(立ち仕事が多い店員や工員、営業マンなど):30~35(kcal/kg標準体重)
  • 重労働(力仕事が多い建設作業員、農業・漁業従事者など):35~(kcal/kg標準体重)

たとえば身長170cm、デスクワークが多い30代男性の場合、標準体重は約63.6kgですので、1日の摂取エネルギーは約1590~1910kcalになります。

食事量は腹八分目が目安

糖尿病や糖尿病対策の食事では、腹八分目にして好き嫌いなく食べることが基本です。食事量が少なすぎると栄養が不足し、多すぎると血糖値の調整がうまくできなくなります。

毎日の食事では、主食(ごはんやパン、麺類など)と主菜(良質なタンパク質を含む肉や魚、卵、大豆製品などのおかず)と副菜(野菜や海藻類を多く使ったおかず)、さらに牛乳・乳製品や果物を食べることで、さまざまな食材から必要な栄養素をバランスよく摂取することができます。「糖尿病になってしまったら、もうおいしいものが食べられない」と嘆く人もいますが、食べ過ぎに気をつければ、味わうことも可能です。

間食は控える

1日に必要なエネルギーを超えてしまわないように、間食は控えましょう。1日3回、摂取エネルギーが3等分になるように規則的な食習慣を心がけることで、血糖値が安定します。これにより、高血糖・低血糖の状態を避けることができます。嗜好品は食べないことが理想的ですが、食べたいときは頻度や食べる量を決めましょう。

糖尿病予防で特に食べるべき食品ってあるの?

糖尿病によい食品、悪い食品というものは特にありません。どんな食品(嗜好品を除く)でも適切に摂れば身体によく、摂りすぎると身体に悪いといわれています。やはり、決められた摂取エネルギーの範囲内で、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する工夫が大切です。

まとめ

糖尿病予防の食習慣では、適正なエネルギー量を把握し、その範囲内で糖質・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく3食均等に摂取することが大切だということを解説しました。

日々の食生活を見直すとともに、できる範囲内で運動を組み合わせることで、より糖尿病予防に繋がるので、できる限り積極的にとり入れるようにしましょう。

参考文献

  1. [1]日本生活習慣病予防協会. "生活習慣病のリスクをチェック!" 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会. http://www.seikatsusyukanbyo.com/images2/2013jpald_check.pdf(参照2018-07-03)
  2. [2]佐藤 裕保. "糖尿病の食事". 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-004.html(参照2018-07-03)
  3. [4]三好 美紀. "肥満と健康". 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html(参照2018-07-03)

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