コレステロール
2018年06月28日更新 2018年06月29日公開

悪玉(LDL)コレステロール値を下げる飲み物

血液中には、悪玉といわれるLDLコレステロールと、善玉といわれるHDLコレステロールが存在します。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、特に悪玉(LDL)コレステロールを改善する飲み物について解説します。

監修医師

この記事の監修者
管理栄養士 中川明子

飲み物を飲む女性

健康診断で「コレステロール値が高いですね」といわれたとしても、痛みなどの自覚症状もなく、そのリスクを実感することは難しいでしょう。しかし、悪玉といわれるLDLコレステロールの増加は、将来的に動脈硬化性の病気を引き起こすおそれがあります。ここでは、LDLコレステロール値改善に期待ができる飲み物についてご紹介します。

コレステロールとは?

コレステロールは人の体に存在する脂質のひとつであり、細胞膜の材料となるなど体に必要とされる物質です。しかし、血液中に溶け込んでいるコレステロールは、生活習慣病のリスクを高めることがあります。

血液中のコレステロールには、体全体にコレステロールを運ぶ悪玉(LDL)コレステロールと、コレステロールを回収する善玉(HDL)コレステロールがあります。LDLとHDLのバランスが崩れると脂質異常症とよばれる状態になり、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。

脂質異常症は、空腹時の血液に含まれる脂質の量で以下の3タイプにわかれます。

  1. LDLコレステロールが多すぎるタイプ(140mg/dL以上)
  2. HDLコレステロールが少なすぎるタイプ(40mg/dL未満)
  3. 中性脂肪が多すぎるタイプ(150mg/dL以上)

血液中にLDLコレステロールが増えすぎると、活性酸素の影響で酸化して過酸化脂質となり、動脈硬化を進行させます。

中性脂肪は体のエネルギー源として利用されていますが、使い切れないと全身の脂肪細胞や肝臓に蓄積されます。中性脂肪が血液中に増えると、HDLコレステロールを減らしてLDLコレステロールを増やし、同じく動脈硬化を誘発させるおそれがあります。

LDLコレステロール値が高くなるのはなぜ?

上でご紹介した3タイプの脂質異常症は、欧米化した食生活や、肥満、運動不足などが原因で発症しやすくなります。

特に悪玉(LDL)コレステロールの値は、肉の脂身やバター・ラード、生クリームなどに多い飽和脂肪酸や、卵の黄身、魚卵などに多いコレステロールを摂取しすぎることで高くなります。また、中性脂肪は甘いものや酒・油っこいもの、炭水化物などカロリーを摂取しすぎることで高くなります。

近年は工業的に作られたトランス脂肪酸の多い食品(マーガリン、ショートニングやスナック菓子など)も、悪玉(LDL)コレステロールを増やすとして問題視されています。

一方、善玉(HDL)コレステロールの減少は、肥満や喫煙、運動不足で起こりやすくなります。

悪玉(LDL)コレステロール値を下げる飲み物

食べ物や飲み物で悪玉(LDL)コレステロール値を下げるポイントとして、

  • 悪玉(LDL)コレステロール値を下げる食べ物・飲み物をとる
  • 善玉(HDL)コレステロール値を上げる食べ物・飲み物をとる
  • コレステロールを排泄する食べ物・飲み物をとる
  • コレステロールの酸化を防ぐ食べ物・飲み物をとる

などが考えられます。それらの効果をサポートしてくれる飲み物についてご紹介していきます。

豆乳

大豆に含まれるレシチンには、細胞膜をきれいにする働きがあります。またコレステロールを乳化して肝臓へと運び排泄させるため、動脈硬化予防に期待がもてます。サポニンは血中脂質(コレステロールや中性脂肪)を下げるといわれています[1][2]。

大豆には悪玉(LDL)コレステロールを減らす不飽和脂肪酸(n-6系)も含まれているので、大豆を原料とする豆乳はおすすめの飲み物です。

カフェラテを豆乳で作ってみたり、豆乳からできたヨーグルトを選んでみてはいかがでしょうか。

緑茶(茶カテキン)

緑茶の苦みや渋みのもとであるカテキン(ポリフェノールの一種)には、抗酸化作用があります。コレステロールの酸化を防ぐとともに、小腸における脂質の乳化や吸収を抑制し、善玉(HDL)コレステロール値を上げる効果があります[3]。

杜仲茶

杜仲の葉から抽出したエキスをラットに与えた1995年の研究では、肝臓に蓄積されたコレステロールや中性脂肪がゆるやかに減少し、脂肪肝を軽減させる効果が報告されています[4]。

普段飲むお茶は、緑茶や杜仲茶を選んでみるのもいいですね。

トマトジュース

トマトなどに多く含まれるリコピンには、コレステロールの酸化を抑える抗酸化作用があるほか、血液中の善玉(HDL)コレステロールを増やす効果があることがわかっています[5]。

また、食塩無添加のトマトジュースを毎日飲むことで、脂質異常のあった被験者の悪玉(LDL)コレステロール値が低下したという東京医科歯科大学の報告例や、トマトに含まれる成分に脂質異常症を改善する効果があることを見出した京都大学の報告例などもあり、今後のさらなる研究が期待されます[6][7]。

夏場はトマトが手ごろな値段で出回っていますので、新鮮なトマトでジュースを作って飲むのもおすすめです。

コーヒー(クロロゲン酸)

コーヒーに多く含まれるクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)にも血液中の善玉(HDL)コレステロールを増やす作用があります。また、HDLコレステロールと同様の働き(動脈硬化の原因となる余分なコレステロールを引き抜く)を高める作用もあります[8]。

コーヒーは深煎りすればするほどクロロゲン酸が失われるといわれているので、飲むなら浅煎りのコーヒーがおすすめです。

トクホ(特定保健用食品)の活用もおすすめ

ヒトが伸びをしたようなマークがついている飲み物を見かけたことがあるでしょうか。これは特定の健康効果について表示・広告することが消費者庁に許可された「特定保健用食品」を示すマーク。「コレステロールが高めの方に」という言葉が書かれたヨーグルトや豆乳や青汁などが、各社から売り出されています。

このようなトクホ商品の活用もおすすめではありますが、医薬品ではありません。病院にかかっている方は治療を優先し、バランスのよい食生活をしたうえで補助的に活用するとよいでしょう。

まとめ|適度な運動もとり入れましょう

コレステロールには悪玉(LDL)コレステロールと善玉(HDL)コレステロールがあり、LDLコレステロールが多すぎてもHDLコレステロールが少なすぎてもよくないこと、LDLコレステロールが心筋梗塞や脳卒中につながることを解説しました。

コレステロール値は、生活習慣に左右されます。小さな習慣ではありますが、普段の飲み物をLDLコレステロール値改善に期待がもてる飲み物に置き換えてみるのはいかがでしょうか。効果としては補助的ですが、これが食事全般を見直すきっかけになるかもしれません。

また、適度な運動でHDLコレステロール値を上げることも大切です。通勤や散歩のときに、普段より早く歩くのはいかがでしょうか。まずは楽なペースから始めて、慣れてきたらややきついと感じるペースに上げていくと効果的です。

何かを新たに始めることは難しいものです。普段の習慣を効果が期待できる習慣に変えて、簡単にできることから始めていきましょう。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. "リン脂質(りんししつ)" 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-039.html(参照2018-06-20)
  2. [2]公益財団法人 日本豆類協会. "豆の主な機能性成分" 公益財団法人 日本豆類協会. https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html(参照2018-06-20)
  3. [3]埼玉県 農林部 茶業研究所. "緑茶の成分と効用" 彩の国 埼玉県. https://www.pref.saitama.lg.jp/b0914/chaseibun.html(参照2018-06-20)
  4. [4]仲佐輝子ほか. 高脂肪高コレステロール食投与ラットの血漿および肝臓中の脂質に及ぼす杜仲葉抽出液の影響, 日本農芸化学会誌 1995; 69(11): 27-34
  5. [5]吉田 和敬ほか. 野菜飲料への機能性表示に向けた取組み,生物工学 2017; 95(9): 525-528
  6. [6]東京医科歯科大学. "『食』による女性の健康維持" 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 女性健康医学講座. http://joseikenko.com/(参照2018-06-04)
  7. [7]京都大学. "トマトから脂肪肝、血中中性脂肪改善に有効な健康成分を発見:効果を肥満マウスで確認" 京都大学. http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/120210_1.htm(参照2018-06-04)
  8. [8]近藤(宇都)春美. 食事因子と抗動脈硬化性リボタンパク機能に関する研究,日本栄養・食糧学会誌 2014; 67(1): 525-528

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